コンサルタント手記転職とは、人生を選び取るということ。
これは、医師の転職を導いたコンサルタントが経験した、
本当にあった物語。

Episode 75決断(上)2007年10月15日 コンサルタントS

K先生からホームページを通してエントリーをいただいたのは、まだまだ残暑が厳しい9月も終わりのことであった。エントリーいただいたプロフィールを見ると、K先生は40代後半で、東京の私立大学を卒業され、大学病院で研修を終えられた後退局され、出身地である九州の民間病院にご勤務、併設のクリニック院長を勤められ、現在は民間の療養型の病院でご勤務されている消化器内科のドクターであるということだった。早速、面談の約束をとる為にメール、自宅・携帯への電話、そして、手紙を書くなど、あらゆる連絡手段を試みたが、音信不通の日々が約4ヶ月続いた。しかし、年が明けてあきらめかけていた頃、やっとK先生の方から会社に電話を頂いた。「今まで、こちらから連絡をせず、大変申し訳ございませんでした。」と謝罪をいただき、面談の約束もいただけた。

面談を開始すると挨拶もそこそこに、K先生が口を開かれた。「どこから何を話していいのかわかりませんが、登録してからの4ヶ月間、転職について悩み続けていました。なぜなら、自分の年齢・スキル・家族のことなどを総合的に考えると、転職という選択が自分にとってベターなものなのか判断できなかったからです。」

その第一声を聞いて私は、先生の不安を一つ一つ取り除いていくことを第一に考えなければならないと感じた。そこでまずは、何故そこまで悩んでまで、転職をお考えになられたのかを聞いてみた。すると先生は、療養型病床削減に伴う今後の病院の方針、新規患者が減少の一途を辿っていることに対しての方策、非常に過酷な勤務環境に対しての改善の意欲などにおいて、現病院の経営陣から危機感が感じられず、病院の存続そのものに不安を感じていることが最大の要因であることを訥々と語られた。

最近の、医療費削減を名目とする、病院への締めつけの厳しさは周知のとおりである。それに対して敏感に反応できない医療機関に未来はないことを、私はこれまで様々な話を聞いて知っていた。「先生、それは絶対に転職をおすすめします。」その言葉が、自然と口から出たのは、私にすれば当然のことであった。
とはいえ、先生に提示する求人は、先生が一切不安を感じないものでなくてはならない。

医局の派閥が無いこと、内科と外科の連携がしっかりしていて、先生のスキルを十分に発揮できること、そして何より院長を初めとするスタッフが同じ方向を向いて、真面目に医療に取り組んでいる環境。この全ての条件を満たす求人を探すのは決して容易ではなかった。

半月ほど猶予をいただき、何とか1件―通勤時間が1時間ほどかかってしまうものの―先生にご提案できるケアミックス型病院の求人を見つけることができた。再度、先生と面談を行い、ご提案させていただいたところ「正直、不安はありますが、まずは一歩踏み出さなければいけませんね。」とおっしゃり、面接を設定させていただくことを了承していただいた。

面談を終了し、別れる時に「Sさんが本当に親身になって、話を聞いてくれていることが伝わってくるので、面接に行こうという気持ちになりました。期待しています。」という先生の言葉に、(上手くいくはず)という期待と(大丈夫だろうか)という不安が同時におしよせてきたことを今でも覚えている。その後、病院側とも十分に話し合いを重ね、いよいよ面接日を迎えることとなった。

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