コンサルタント手記転職とは、人生を選び取るということ。
これは、医師の転職を導いたコンサルタントが経験した、
本当にあった物語。
Episode 162前向きな思考がもたらした成功(上)2015年01月15日 コンサルタントI
S先生は40代半ばで、産業医としての経験も豊富なK市在住の男性医師で、以前から検診案件をはじめとして非常勤案件にはよくお問合わせも頂いておりましたので、お名前は存じておりました。福岡県にある美容皮膚科のクリニックに勤務をされていたのですが、既に退職する事が決まっているとの事でした。熊本から福岡までの通勤や、勤務の終了時間が遅くなることが多く、それが負担になっていたようでした。転職に対する先生の考え方や最も重要と考えている点を詳しくお伺いした上で、ご満足いただける転職を実現させたいと強く思い、先生に面談をお願いしたところ、快くお会いする事を了承していただきました。まだ残暑が厳しい9月上旬の事でした。
実際にお会いする前に少しでも先生の事を知っておきたいと思い、先生の情報収集を行ったところ、趣味でゴルフをされているようで、その腕前もシングルクラスのようでした。私もゴルフを趣味として楽しんでいる事も有り、より先生の事が身近な存在に思えてきました。初めてお会いしたのは、お問合わせをいただいてから1週間後の事でした。面談当日、待ち合わせ場所の喫茶店に約束の時間よりも少し早く先生は到着されました。身長は175㎝位。短髪でスーツをキリット着こなしたとても真面目そうで清潔感のある先生でした。年齢は45歳で私よりも一つ年上のはずなのですが、あった瞬間に想像以上に若く見えたので驚きました。初対面のご挨拶後、私の第一声は「先生、あまりにもお若く見えるのでびっくりしました…」だったはずです。転職先として検討したいのは、
① 健診機関での常勤
② 眼科でのコンタクト診療を中心とした業務
のどちらかで進めたいとの事でしたが、この時期にすぐに常勤先が決まるとも思えないので、とりあえずは非常勤医師として市内の医療機関でコンタクト診療のアルバイトをしながら並行して常勤の検討を進めさせてもらおうかと思いますとの事でした。「先生、ちょうど今なら定期でいい案件がありますよ。」すぐに先生に提案をさせていただいたところ、検討をしたいので募集状況を確認して連絡をくださいとの事でした。「もしその医療機関が常勤の医師を募集されている場合は、ご検討可能ですか。」とお伺いすると条件次第ではありますが、前向きに考えたいと思いますとの回答でした。
翌日、掲載案件をいただいているクリニックに最新の募集状況を確認する為に、連絡を取ったのですが、先方のご担当者様より定期勤務が出来る先生を探してはいるのですが、一度、スポットで勤務をしていただいた上で、院長と相談をさせていただいてからしか具体的な内容に関してはお伝えする事が出来ませんと、歯切れの悪い回答となってしまいました。先生には、定期での勤務に関しては、一度、スポットでご勤務をしていただいてからしか勤務内容に関しても条件面に関しても提示する事が出来ませんとの回答であった事を連絡しました。私としても非常に曖昧で申し訳ない気持ちで先生にお伝えしたのですが、先ずはスポットで勤務をしてみましょう、と想像とは違った非常に前向きな回答をいただきました。
この前向きな姿勢がその後の好条件での勤務決定に繋がる最大の要因だったのではないかと思います。