コンサルタント手記転職とは、人生を選び取るということ。
これは、医師の転職を導いたコンサルタントが経験した、
本当にあった物語。
Episode 133転科への決断(下)2012年09月01日 コンサルタントL
私は以前に中国人の内科医師を2名、転職のお手伝いしたことがあった。2名とも中国の名門医科大学卒で、更に漢方に関しても非常に詳しい先生方だった。成績が優秀の為、日本に留学し、そのまま日本の医師免許を取得し、現在も日本の医療機関で勤務されていた。そのお二方を活かし、何か解決策は見いだせないか考えた。
早速、2名ドクターとそれぞれに連絡をとり、現状を確認した。1人目の医師は来年4月から開業準備をしていて、K先生を受け入れる余裕がなさそうだった。もう1人のドクターは私の紹介である総合病院の内科に勤務しているU先生だ。U先生は漢方内科の専門外来を標榜したいと考えていたが、人手が足りなく困っているとのことだった。私は自分の考えとK先生の状況を話した。U先生は大変興味をもってくれ、一度K先生と会いたいと言ってくれた。
但し、K先生の希望だけではなく、病院の意見も聞かなければならないため、病院事務長へお話しし、元々の専門の整形外科と漢方内科を半分ずつという勤務形態で病院の了解が得られた。病院としては、整形外科は現在2名常勤医師が在籍しており、現状は足りている状況だが、再来年に病院の拡大に伴い、4名体制を作りたいとのことだった。K先生にとっては、今まで整形外科に積んだ経験が活かせ、漢方内科の標榜と立ち上げに携わることができる。U先生と病院事務長の了承を得た後、K先生に私の考えを伝えた。
漢方療法は元が中国のため、日本の漢方医師が漢方外来を標榜しても、知らないかもしくは実施していない診療法もあるようです。本場の漢方を勉強するなら、中国出身の漢方医師の下で経験を積まれるのが一番理想であること。また、K先生の今回のご転職は勉強目的のため、重視するのは、教育環境と教育を担当して戴ける医師の存在が不可欠であることをK先生へ伝えた。そしてK先生の心配を解消する為、私は一度U先生の都合に合わせ、K先生と面談の機会を作った。
その場でU先生は今後の考え、K先生の勤務体制等々を直接K先生へ伝えた。U先生は穏やかな方で、以前大学で講師の経験もあったため、教育能力とマネジメント能力が豊富な先生だ。面談した後、K先生は大変喜ばれ、是非その先生の下で勤務したいと言って下さりました。
K先生の一番大きな心配をクリアし、その後、K先生と一緒に病院事務長、院長先生と面接を行い、病院側も先生の事を重視して下さり、K先生のご希望条件の週4.5日1,800万円の条件をご提示して頂きました。K先生は10月1日に入職することが決まった。
今回の転職のお手伝いは、これまでの私の経験上、類を見ないほど困難なものだった。我々コンサルタントは、日々「Drの医師としての人生の節目」携わっている。Drの想いをカタチにする。真摯に耳を傾ける。そしてDrが喜ばれる姿が見たい…K先生のご入職まであと少し。今からご活躍される姿が楽しみだ。