コンサルタント手記転職とは、人生を選び取るということ。
これは、医師の転職を導いたコンサルタントが経験した、
本当にあった物語。

Episode 70議論(下)2007年06月01日 コンサルタントT

そしてY先生の就職活動が始まった。
場所・学閥・常勤麻酔科医の有無・年俸・当直の回数・入職した場合のY先生のポジション・外科と内科の連携等をかなり詳細に調査をした。
そして最終的に都内にある2つの病院を提案した。

Y先生は2病院とも面接をするとの回答で、早速面接を設定した。最初のA病院の面接では、院長先生・外科部長・事務長の3名に対応してもらい質疑応答も順調に進んだ。院内見学も最新の医療機器を揃えており、Y先生も大変満足して面接を終了した。

しかし、B病院の面接は前回とは少し状況が異なった。面接は院長先生・外科部長・内科部長・事務長の4名で対応してもらった。

最初はおだやかに進行したが、Y先生の質問に対し外科部長と内科部長との見解が異なり議論となった。そしてその議論の輪に院長先生とY先生までが加わり、おだやかな場が一変した。

面接が終了したのは、開始から3時間後であった。帰り際、事務長から聞いた話では、外科部長と内科部長は実は仲がよく、プライベートでは良く飲みに行く間柄であり、実にいいコンビだと笑っていた。

面接から一週間後、2病院ともに先生に是非入職をして頂きたいとの返事を頂いた。
しかし、Y先生の気持ちはすでにB病院に決まっていた。私からみてもB病院ほど風通しの良い病院は少ないと思う。

面接時の議論もただ好き勝手なことを互いに話しているのでは無く、根本にあるのは患者に対する思いであり、ベクトルが同じ方向を向いているのである。

最終的にY先生は外科医長として入職が決まり、年俸も基本給で1,600万円から1,800万円にアップした。

入職の手続きで、Y先生とお会いした時「すばらしい病院を紹介して頂き、ありがとう」と笑顔で言ってくれた事を私は誇りに思う。今後のY先生の活躍を祈りエールを送ります。

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