


国際協力をやりたいのですが、何から始めたらいいのかわかりません。
まずインターネットのメールマガジンに入ることをお勧めします。具体的には、国際協力マガジン・国際協力マガジンキッズなどがいいでしょう。さらに情報を深くつっこんで、より具体的に国際機関・政府機関・民間組織に特化した情報を得たい人には、以下のメールマガジンがいいと思います。
国際機関系: 国連オンライン 国際情報誌SUN クラブJPO
政府機関系: ODAメールマガジン JICAメールマガジン JICA国際協力人材センター「PARTNER」
民間組織系: NGO/NPOウォーカー JANIC NGOネットワークジャパン グリーンライン
メールマガジンで得た情報からイベントや各団体の活動報告会などに参加し、目標となる人と出会うことが重要です。オススメのイベントでは「グローバルフェスタ」などがありますね。また参考となる書籍もいくつかあるので、それを以下に列記します。「世界と恋するおしごと」は当法人からリリースした本です。また世界の現状に目をむけていただくために、子供から大人までの写真絵本も出版しました。「シエラレオネ・・5歳まで生きられない子どもたち」「彼女の夢みたアフガニスタン」「あなたのたいせつなものはなんですか?・・カンボジアより」などの書籍で世界に目をむけていただくのもいいかもしれません。
「国際協力ガイド2008」(国際開発ジャーナル社)
「世界と恋するおしごと」(小学館)
「シエラレオネ・・5歳まで生きられない子どもたち」(アートン)12ヶ国語に翻訳
「彼女の夢みたアフガニスタン」(マガジンハウス)5ヶ国語に翻訳
「あなたのたいせつなものはなんですか?・・カンボジアより」(小学館)11ヶ国語に翻訳
すぐできる、ボランティアは、何かありませんか?
ボランティアの募集はインターネット上に多数あります。以下のサイトやメールマガジンで、ボランティア募集の情報を収集して下さい。
JANIC
NGO/NPOウォーカー
NGOネットワークジャパン
グリーンライン
ヤフー・ボランティア
海外ボランティアプラットホーム
もっと本格的にボランティアや国際協力をやってみたいのですが・・・。
各ボランティア団体が募集している「インターン制度」をお勧めします。大学生・大学院生・若い社会人などが募集されることが多い制度で、数ヶ月から1年くらいの期間、ある団体のオフィスで事務的な雑用をする仕事です。事務所の雑用といっても、それを通して様々な人達と出会い、人脈がひろがります。実際に世界で活動している人たちから直接話しをきけるのは貴重な機会。ぜひ活用して下さい。こうした経験は大きな刺激となり、ネットでは体験できない財産です。その団体の活動内容や採用条件(給料など)を詳しく知ることができ、勉強にもなります。国際機関・政府機関・民間組織のそれぞれにインターン制度があるので、ぜひ有効活用して下さい。詳しい情報を得たい人は、上記のメールマガジンに登録して下さい。
海外に2年ぐらい行って、ボランティアをしてみたいのですが・・・。
お勧めは青年海外協力隊です。それ以外では国連ボランティアとNGOのボランティアがありますが、総合的に考えてファーストチョイスにすべきは、やはり青年海外協力隊でしょう。理由を箇条書きにしてみます。
【1】.日本の政府機関の国際協力事業団(JICA)の中の組織なので信用できる。
【2】.それほど危険でない国にしか行かないので、初心者にお勧め。
【3】.日本の銀行へ9万円、それとは別に現地で数万円もらえ、その他家賃などの補助も。
【4】.職種が140種類ぐらいあり、あなたにできることが数種類は見つかる。
【5】.派遣前に3ヶ月弱の研修を福島や長野で行ってくれる。語学の勉強などが完全無料。
などの他の選択肢にはない、長所がたくさんあります。
青年海外協力隊について、詳しく知りたいのですが・・・。
詳細は青年海外協力隊の公式ホームページをご覧下さい。また紙の媒体である、小冊子も無料で配布されています。応募条件は、日本国籍があり、20歳から39歳までの年齢で、心身ともに健康であること。最も重要なのは健康であることです。頭痛もち、女性の月経困難症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、精神疾患などは落とされる原因になるかもしれません。もちろん英会話力はあったほうがいいですが、語学は派遣前の3ヶ月間で教わるので、あまりうるさくありません。 青年海外協力隊には春と秋の応募があり、多数の人が応募します。1000~2000の案件がありますが、それには数倍の応募があります。全体の倍率は5~6倍と、かなり高いですね。単に応募するだけでは、落ちる可能性のほうが高いともいえるでしょう。ですから一度落ちてもめげないで、半年ごとに数回は受験することをお勧めします。一発で通りたければ、それなりの対策も必要です。倍率の低い職種に応募することから、最初にやるべきでしょう。倍率が低と言えそうな職種を、以下に箇条書きにしてゆきます。
教育文化部門: 「小学校教諭」2.4倍、「理数系教師」2.8倍、「幼稚園教諭」3.5倍
(注: 募集の少ない技術系教諭でも1.3倍。家政も2.2倍)
保健衛生部門: 「保健師」1.9倍、「理学療法師」2.2倍、「養護」2.4倍、「助産師」3.1倍
(注: 看護師は人気があり、6.5倍と高倍率。医師の募集は例年ほとんどない。)
農林水産部門: 「養殖」2.1倍、「家畜飼育」4.0倍、「野菜」4.7倍
加工部門: 「木工」3.0倍、
保守操作部門: 「自動車整備」2.5倍
土木建築部門: 「建築」4.8倍
スポーツ部門: 「体育」3.3倍
以上は平成17年春の結果に基づくデータなので、最新のデータを各自で入手して下さい。目的の職種を決めたならば、その職種に応募するために職業訓練校や専門学校などに行った人もいるくらいです。溶接や竹細工などを習得して派遣された猛者もいるので、そこまでやるかどうかは皆さんの考え方次第です。一般論としては教職があったほうがよく、看護師の場合は助産師か保健師をもっていないと受かりにくいですね。 それらのような一芸(いちげい)を持っていない人のためには、4つの職種があります。特別な資格はないが、健康とやる気には自信があるといった人でも応募できます。村落開発普及員(6.5倍)・少年活動(20倍)・エイズ教育・日本語教師などがそうですね。日本語教師もエイズ教育も、数十時間の講習を受けることで誰でも応募できます。ただ、こうした職種は倍率も高くはなりますね。エイズ教育はコンドームの使用といったエイズの予防法などを教育する係です。
青年海外協力隊の試験対策を教えてください。
一次試験は筆記、二次試験は面接と実技です。一次試験は過去の試験問題集が、書店やインターネットで売られています。実際の試験の問題数がやたら少ないので合格は運の要素が強いですが、ともかく一次試験の前には勉強をしてください。合否をわけるのは二次試験での面接の答弁。自主性と協調性のバランスが取れている人が採用され、自己主張が強すぎても弱すぎてもダメですね。優等生的な発言に徹して下さい。合格すると福島か長野の合宿所で、3ヶ月弱の研修があります。集団生活の訓練を受け、ここで主に現地の言葉(英語・フランス語など)を勉強します。無料の講習で語学が勉強できるのですから、こんな美味しい話はありませんね(笑)。みなさんの健闘を祈ります。
青年海外協力隊のネガティブな部分を教えて下さい。理想と現実との間にギャップがあるのでは?
最後に青年海外協力隊の欠点の部分も話しておきます。以下の部分に注意して下さい。
【1】 .実際に派遣された場所で、自分が思うような活動ができる人は1割程度。8割は悶々と努力。1割は家で寝ている。
【2】.2年間の派遣が終わり、その後も国際協力を続けている人は1割未満。9割は国際協力を辞めてしまう。
【3】.青年海外協力隊から帰った後に、日本での就職場所に困る人が多い。大学新卒ではない、自主性が強すぎる、などが原因。
【4】.外務省の提唱する「人の見える援助」と日本のプレゼンス(存在)を示す」ことが目的なので、その活動内容は問われない。
【5】.青年海外協力隊の派遣数を増やし、日本の援助を見栄えよくするために、実際は必要ない地域からも要請がくる。だから行っても仕事がない。
上記のネガティブな現象への対策として、社会人としての勤務経験を5年以上もってから青年海外協力隊に行くことを、お勧めしておきます。学校を卒業したばかりでは、社会でのコミュニケーション能力が事実上ありません。このためトラブルを起しやすいのですね。くわえて5年の社会人経験があると、この仕事ができるという経歴になるので、2年の青年海外協力隊から帰国した後も再就職しやすくなります。 国際協力は意外と汚い世界です。人間の半分は良い人、半分は悪い人です。というか同じ人間の中に、良い心と悪い心の両方があります。援助する側にも、援助される側にも、非常に悪い人はいるのです。そういう現実に直面すると、国際協力をするのが嫌になります。「なんで自分はここに来たのだろう?」と悩んでしまうわけですね。そうした時でも「本当に意味のある国際協力」を目指して、最善を尽くしていく、強い心が必要になります。 そうした時の心の準備をするために、拙著の2冊の本に目を通して下さい。「世界で一番いのちの短い国」(白水社)と「アフガニスタンに住む彼女からあなたへ 望まれる国際協力の形」(白水社)です。この本には国際協力のあらゆる負の側面が書いてありますので、これを読んでから海外に行けば少々のことでは動じなくなります。本の3分の1はギャグにしてありますので、笑いながら短時間で読み進める構成になっています。
国際協力を行っている団体には、どんな組織があるのですか?
大きく3つに分類されます。例によって箇条書きにします。
国際機関: 国際連合(国連、UN)、世界銀行(WB)、アジア開発銀行、など
政府機関: 国際協力機構(JICA)、JETRO(日本貿易振興機構)、など
民間組織: NGO(非政府組織)、NPO(非営利組織)、開発コンサルタント会社、など
国際機関が各国の税金をまとめて、それを予算としている団体です。政府機関は日本やアメリカなど、1つの国の税金を予算としている組織。民間組織とは、上記の2つ以外の全ての団体をいいます。
NGOとは、なんですか?
NGOとはnon-government organizationの略ですから、非政府組織という日本語訳になります。広義のNGOは政府機関と国際機関以外のすべての組織が含まれますね。そういう意味では一般の会社も、私立の学校や大学も、私立の病院も、宗教団体もNGOと言えます。 これに対して、狭義のNGOというものがあります。その団体のメインの活動が国際協力活動である組織です。一般にはボランティア活動を行いたい場合、ボランティアスタッフを募集しているのは狭義のNGOです。よって、このNGOたちのホームページを見に行くことをお勧めします。どんなNGOがあるかを、紹介するためのNGOもあります(笑)。それをネットワークNGOといい、JANICが日本のNGOの総元締めと言われています。
NPOとは、なんですか?
NPOはnon-profit organizationの略のこと。都道府県または内閣府から、認証または認定を受けた非営利団体の法人をいいます。法人は日本政府の法務局に登録された、人々の集団を指します。法務局に登録することを、法人の登記といい、これを行うと立派な団体とみなされます。これを行わないと、大学生のサークルなどのような仲良し集団にすぎません。このため、きちんとした活動を行おうと決意したNGOたちは、事務所のある都道府県のNPO法人係にて法人登記を行い、NGOであると同時にNPO法人格を取得します。数ヶ月の時間を要しますね。皆さんは(例外はありますが)NPO法人格をもっているNGOのほうが、ちゃんとした団体だということを知識として持っていて下さい。
JICAというところに、将来就職したいのですが・・・
JICAと一口に言っても、中には様々な組織があります(詳しくは、JICAのサイトへ)。その中で有名なものとして、以下の4つだけを、ここでは説明します。
青年海外協力隊: 20歳から39歳まで。2年間などの間、途上国へいく。9万円プラス数万円が支給。
シニアボランティア: 40歳から69歳まで。青年海外協力隊よりもかなり高収入。家族同伴可能。
JICA職員: 新卒採用と中途採用(社会人採用)がある。大卒だけが条件だが、実際には英語力などが必要。
JICA専門家(技術協力専門家): 大学院修士レベルの専門性、海外活動経験、英語力、などが必要。高収入。
国際公務員(国連職員)になりたいのですが・・・
国際公務員になる方法は以下の9通りが存在し、中でもAE/JPO試験がお勧めです。
AE/JPO試験: 日本国籍、35歳以下、英語力、大学院修士、時に2年間の海外勤務経験。倍率15倍ぐらい。
国連ボランティア: 25歳以上、大卒(または専門性)、勤務経験2年以上、国連公用語(英・仏・西・露・中・アラビア)ひとつ。
国連インターン 大学院修士課程または大学院博士課程に在学の大学院生は募集される。就職ではないが、お勧めできる。
採用ミッション: 各国際機関が、即戦力となる専門家を雇うために、各国を訪れる。ユニセフは次を2007年に予定。
国連競争試験: 最も一般的な国連に入る方法。倍率30倍超。経済・社会・政治・法務・特許・人権・統計などの専門性。
YPP: 1~5年の研修を得て、確実に国連職員になれる「超エリートコース」。倍率数百倍。UNESCO・UNDP・世界銀行など。
空席募集: 各国際機関が、その時点で空いているポストを、ホームページ上に告知。一般公開のものと、内部用がある。
ロスター登録: 上記を一々調べるのが面倒くさいという人のために外務省国際機関人事センターが作った登録制度。お勧め。国家公務員により官庁から国際機関へ出向 日本政府の省庁や、国立なになに研究所の職員が国連へ派遣されるケース。
国連ボランティアと、国連インターンは、国連職員になれるわけではありませんが、将来にこの時のコネが生きてくる可能性があります。
国連の、某有名団体に、どうしても入りたいのですが・・・
国際協力を行っている組織には一長一短があります。国際機関・政府機関・民間組織のどれもに一長一短があり、完璧な団体は存在しません。例えば、子供を助けるとか子供のための学校や病院を作るのが目的の団体は、国際機関・政府機関・民間組織のそれぞれにあります。ですが子供の助け方にも種類があり、学校をつくりたい人が病院をつくる団体に所属しても、ある種の違和感をもってしまうかもしれません。ギャップがあるわけですね。子供を助けることひとつを例にとっても、自分のやりたいことがどんな分野(教育・医療・貧困の改善・人権など)なのかを考えた上で、それを一番得意とする団体に入ることをお勧めします。
子供の教育を対象とする団体だけでも、たくさんあります。国際機関ではユニセフなどの政府機関ではJICAの人間開発部の基礎初中等教育部が、民間組織ではセイブザチルドレンUKが存在します。そのどれもが特徴ある活動をしており、一長一短があります。ですから単に有名だから、かっこいいから、という理由で入るのはよくない。重要なことはある組織に入りたいと思うのではなく、ある分野の専門家になる、いう意識を持つことです。そして自分の能力が生かせる場所が見つかった場合、それが国際機関であろうが、政府機関であろうが、民間組織であろうが、気にする必要はありません。
国際機関・政府機関・民間組織、それぞれの長所と短所はなんですか?
以下、一般論ですが、以下のように言えます(例外あり)。
国際機関の長所: 世界全体を動かす大きな仕事ができる。国際法の制定ができる。給料が高額。
国際機関の短所: 国連安全保障理事会の常任理事国5カ国(米・露・中・英・仏)の意向を重視。
政府機関の長所: 相手の政府を通して援助を行うため、援助の結果が確実に未来に残り易い。
政府機関の短所: 日本の外交政策の影響を受ける。相手国政府を通して援助するので現場から遠い。
民間組織の長所: 現場に最も近い。直接的に援助できる。現場の「社会的弱者」の情報を得やすい。
民間組織の短所: 学問的背景のない人が多い。数字で結果を出さないことが多い。予算が少ない。
国連JPO試験の条件となるかもしれない、2年間の海外勤務経験を得るためには、どうすればよいのですか?
以下の5つの方法があります。
青年海外協力隊: 20歳から39歳まで、倍率5倍前後と高倍率なので、落ちても半年ごとに応募を続けること。
国連ボランティア: 社会人経験2~5年以上。学歴はほとんど問われない。社会での勤務経験を重視。
在外公館派遣員制度: 外国の日本大使館などで事務仕事などをする。その国の言語力必須。高卒で可能。
外務省の専門調査員: 外国の日本大使館などで経済・法律・宗教などの分析。大学院修士必須。
NGOの海外ボランティア: 様々な団体から募集があるが、上記の四つと異なり無給または薄給が多い。