トップページコンサルタント手記Episode 183: ブランクからの再出発(下)

コンサルタント手記転職とは、人生を選び取るということ。
これは、医師の転職を導いたコンサルタントが経験した、
本当にあった物語。

Episode 183ブランクからの再出発(下)2016年11月01日 コンサルタントI

F先生を受入れ可能な医療機関をお探しすることは若干苦戦を強いられましたが、そんな中でも幾つかの医療機関からF先生と面接をしたいとの回答を頂きました。

先生のご自宅から徒歩圏内の訪問診療クリニック。通勤30分のケアミックス病院。通勤50分の急性期病院。
いずれも、書類選考では検討困難ではありましたが、F先生の人柄やお考えをお伝えしたところ、面接可能となりました。

訪問診療クリニックについては夜間オンコール当番制ではあるが、呼び出しはそう多くはないとのことで検討の範囲内でした。
ケアミックス病院については当直・オンコールも免除可能とライフワークバランスが良さそうな勤務内容でした。
急性期病院は当直ありで、F先生としても急性期の自信が無く、一旦保留状態となりました。

F先生としても2つの医療機関は勤務可能とのお考えで、面接実施に前向きになりました。
入職に関しては十分納得した上で決断していただくために、不安点などを面接で話し合うことも可能とお伝えしました。

早速、訪問診療クリニックとケアミックス病院にて2日連続の面接を設定しました。

面接1日目・訪問診療クリニック
理事長先生が診療を終えられた夜に面接を実施し、理事長先生自身の病院勤務の循環器内科医から訪問診療医へと転身した経緯や訪問診療についての思い、訪問診療医としての意気込みなどを熱く語られました。

F先生に対しては、過去にはこだわらず、これから医師としてどのようなビジョンがあるかの考え方の質問が中心となりました。

F先生も相当緊張はされておりましたが、ご自身の言葉でご実家の医院のことや、訪問診療の必要性などについて語られました。

面接前半は多少緊迫した状況ではありましたが、F先生の言葉も伝わり、和やかな雰囲気となり、勤務の詳細についての話し合いとなりました。
理事長先生もしっかりと指導し、フォローしていただけるとのことで、オンコール対応についても経験を積めば患者の状況把握ができるので、事前に連携病院搬送などの対応がとれてコールも少なくなるとのことでした。

クリニックからは週5日2,000万円の内内定をいただき、F先生としても前向きになられましたが、過去のこともあり、一晩熟考することとなりました。

面接後の帰り道、F先生は大変有難いお話で、理事長先生のことも尊敬できる人物と感じられたと、候補として十分であるとのことでしたが、やはり夜間オンコールに対しての不安は拭い切れない様子でした。

面接2日目・ケアミックス病院
面接2日目ということもあり、先生も多少緊張がほぐれ、和やかな雰囲気で始まりました。
F先生は過去の職歴、退職の経緯や、高齢者医療・訪問診療への考え、ご自身の長所・短所についてまで語られました。
理事長先生や院長先生もF先生に興味を持ち、良いことも悪いことも本音で話されていました。
病院から勤務内容については外来・療養病棟・地域包括ケア病棟の管理と1コマ程度の訪問診療を担当していただければとのことになりました。
とは言え、いきなりではF先生への負担も大きいとのことで、勤務に慣れ、状況に応じてからで構わないとも言っていただきました。

その後、病院見学や常勤内科医(70歳代)の挨拶を済ませ、お互いに前向きに検討することで面接は終了となりました。

帰り道、仮に内定を頂いた場合の意向をお聞きしたところ、昨日のクリニックより上位候補とのお考えでした。

病院自体が高齢者患者も多く、訪問診療も経験できるという点と、理事長先生をはじめ、スタッフの雰囲気も気に入られた様子でした。

翌日病院から内定の連絡と条件提示がありました。
週4.5日勤務1500万円当直・オンコール免除。
4月1日にお待ちしておりますとのお言葉をいただき、早速、F先生に連絡を取りました。

F先生としてのお気持ちは固まっていたらしく、年棒もご自身の考えより多少なりとも超えていたことから内定を受諾して頂きました。

併せて、訪問診療クリニックの理事長先生には高い評価を頂いたにもかかわらず、申し訳ない気持ちだが、もう少し経験を積んだ後に勤務できればとお伝え下さいと仰られました。
その後、訪問診療クリニックへはご辞退されたことを丁重にお伝え致しました。

翌週、雇用契約と入職手続きのため再度二人で病院へ訪問し、滞りなく手続き完了となりました。

帰り道、これから始まりますねとお話しすると、
『再出発ですので多少の困難は耐えられますので、がんばります。有難う御座いました。』
とのお言葉をいただき、私からも御礼をさせていただき、握手して別れました。

4月1日まで残り一週間という状況でした。

その後、別件で病院を訪問した際、事務長にF先生のことをお聞きしたところ、『患者さんからの評判もよく、頑張っていますよ』と伺いました。

F先生の再出発に少しでもお役に立てた経験を、次の先生に対しての医療機関紹介へと繋げていきたいと思います。

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