トップページコンサルタント手記Episode 124: 医師であり続ける事(下)

コンサルタント手記転職とは、人生を選び取るということ。
これは、医師の転職を導いたコンサルタントが経験した、
本当にあった物語。

Episode 124医師であり続ける事(下)2011年12月01日 コンサルタントY

採用する医師に求めるスキルや経験、諸待遇等についてS事務長へヒアリングを済ませたが、総括すると大変忙しい病院でもある為、フットワークが軽く、当直のできる精神保健指定医を持ち合せた40代までの先生を探している様だった。

M先生を是非ご紹介したいという意向から、S事務長との事前面談へ臨んだのだが、意外に高いハードルに少し戸惑いを感じ、中々話を切り出せずにいた。そこへ突然Y理事長が入室され、常勤医師募集について打合せ中であることを伝えると、「是非ともじっくり話を聞かせて欲しい」と、そのまま同席された。 この時点ではM先生から経歴開示の承諾は得られていなかったので、口頭でM先生のご経歴やご転職の背景、希望される勤務要件等について説明し、M先生との面談時の、特に印象に残ったお話をさせて頂いた。「M先生は、精神疾患の患者とは特に心を開き、向き合いながら診療する事に尽きるとお話されていました。特に病棟管理には時間をかけたいとのご希望です。また、あまり医療機器に精通していない要素もあるようですが、これまでは医療機器に頼りすぎず、自身の五感(経験値)で、できるだけ診療されてきたようです」と私に熱く語っていただいたM先生の医師としての熱意をそのままお伝えした。それを聞いていたY理事長から「宜しければ、直ぐにでも面接の予定を組んで頂きたい」と懇願された。

後日、その理由を知ったのだが、Y理事長は先代の父親が急死された事で、急遽、理事長に就任された。先代理事長(父親)の口癖が「最近の医師はあまりにも機械的に患者を診ている。特に精神疾患の患者には時間をかけて診療すべきであり、医療機器や薬に頼りすぎるな!」というものだったそうだ。 診療方法や医療機器、薬などが年々進歩していく反面、Y理事長自身も含めこのような環境に恵まれた若い先生方は、有事の際(東北被災地への支援)には充分な診療ができない事を実感し、先代理事長と同じ様な見識を持つ、M先生とお会いされたかったとの事だった。

M先生との面接の際、Y理事長は「是非ともお力を貸して頂きたい。また、私を含め当院に勤務する若い先生方に、真の診療とはどのようなものかを教えて頂きたい」と話された。するとM先生からは「人に教える事は大の苦手です。ただ、年寄りの仕事ぶりを見て頂いて、それぞれの先生方の診療の在り方へのヒントになれば幸いです」と実に謙虚に話され、緊張感ある雰囲気から一気に和やかな空気が漂った。 数日後、正式にM先生に対する条件提示がなされ、Y理事長からはM先生の実績を加味し、副院長としての役職も打診されたが、これについてM先生は頑なに拒まれた。その為、M先生を必要としているせめてもの証として、当初M先生が望まれていた年俸よりも遥かに上回る年俸提示を受け、当直も免除、週4日勤務、年俸1,800万円でようやく契約が纏まった。

数日後、改めてM先生のご自宅に伺った。娘さんから「見違えるほど、変わりましたよ。医師として必要とされた事、頼りにされた事が本当に嬉しかったみたいです。今度は、私の転職の相談に乗ってもらえませんか?」とやや冗談交じりの会話をしていると、M先生から「リンクスタッフに転職をお願いするのなら、ちゃんと俺を通してくれよ。手数料とるからな」と微笑まれた。そして、契約書へのサインを終え、M先生のご自宅から引き揚げる際、「おかげで残りの人生が楽しくなりそうだよ。またリンクスタッフに借りができてしまったかな。本当にありがとう」とM先生からお礼の言葉を頂いた。ご入職頂いた先生方に「ありがとう」の言葉を頂く事が、コンサルタントとして成長する力となり、この言葉を頂くために、先生方の転職をサポートし続けたいと思う。

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